弥栄-いやさかの会

自己実現について-スピリチュアルコラム【いやさかの会】

自己実現について。

「自己実現」という言葉があります。
良く使われる言葉ですが、まじめにこの言葉の意味を考えてみると、結構難しいです。

そこで、辞書を引いてみました。
「自己の素質や能力などを発展させ、より完全な自己を実現してゆくこと。自我実現。」(大辞林)
ますますわからなくなりました。

関連語として、「個性化」と書いてありました。
個性化とは、「個人に内在する可能性を実現し、人格を完成していくこと。個体化。」(大辞林)

つまり自己実現とは、自己の長所を生かすことによって他者と比較対象のできる自己を形成すること。
さらに発展させて言えば、自分がこの世に生きている意義が明確になった状態を自己実現というのではないでしょうか。
ただ、一般的には、自己の夢や目標の達成に着実に近づいている状態をあらわす意味の言葉として使われている場合が多いように思います。

私は、自己実現とは、その人の夢や目標がはっきりと定まった時点で、すでに完成していると考えています。
人間の夢や目標の最終到達点などというものはありませんから、まだ具体的に何も前進していなかったとしても、夢や目標をきちんと持てた時点で、その人は意義のある生き方をしているのです。

そして、「自己実現」が発展すると「自他実現」になるのではないかと思います。
自分のためだけではなく、他人の夢や目標に対して、あるいは社会全体の幸福の実現に対して、自分がどのような力を発揮することができるかのかということについて自己の目標をイメージすることができた時、その人はすでに「自他実現」しているのではないかと思います。

ところが、自分の個人的な夢や目標を頭の中に描くことさえ出来ないために苦しみ悩んでいる人が多いのが、現代社会の特徴であるような気がします。
私がそういう人たちにアドバイスしたいことは、いっそうのこと「自己実現」を飛ばしてしまって、「自他実現」を目指してみたらどうか、ということです。

物質世界と違って、思いには時間の前後がありません。
ですから、「自己実現」を完成させる前に、「自他実現」を完成させることだって可能なのです。
自他実現を目指すことは、自己実現を目指すことよりも更にその人の大きな可能性を引き出し、大きな「生きる力」を引き出すことができるでしょう。
自他実現を頭の中にイメージできた時点で、その人の自己実現も完成しているのです。

「思い」は「現実」を創造します。思いが先で、結果はあとからついてきます。
ですから、今自分が持っている能力や才能を気にする必要はありません。能力や才能は、後からついてくると思ってください。
自分が世の中に対して何ができるのかという可能性を予想するのではなく、自分が世の中に対して何をしたいのか、という希望・イメージをはっきりともつことです。
そこで描かれたイメージが、あなたがこの世に生きている意義、すなわち自己存在理由にほかなりません。
人のために生きることを考えたとき、その人の人生には、周囲と一緒に自分も確実に幸せになる道が大きく開けていくのです。

今、自分探しをしている方は「自他実現」、是非このことを実践されてみたらいかがでしょうか。

やしろたかひろ
(2005年12月16日)

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